不確定申告

tanaka0903

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとつの仮説

飲む前は飲まじと思ふ 飲めばとくやめんと思ふ されどすべなし 特に最近の傾向だが、 酒を飲まずにいると血圧が 99-65 とかになる。 普通に低いのではなく、 アンカロンやアーチストなどの薬によって心臓を強制的に休ませているせいではないか。 だが、酒を…

異同歌

我が背子に またも逢はむと 思へばか 今朝の別れの かなしかりつる 我が背子に または逢はじと 思へばか 今朝の別れの すべなかりつる 明らかに同じ歌であるが、微妙にニュアンスが違う。 こういう歌が、調べ出すとかなりたくさんある。 最初のがおそらくは…

赤染衛門

赤染衛門集を一通り読んだ。 実に不思議な歌を詠む人だ。 普通、歌とは、花鳥風月や春夏秋冬、恋や別れなどの、浮き世離れしたことを詠むものである。 ある意味やんごとなき、高尚なものであるという認識がある。 西行も「花鳥風月に感じて三十一文字をなす…

昔のつぶやき

2009年頃のつぶやきなんだが、 今更検索しても出てこないのでここに再掲する。 我ながらすっかり忘れている。 "6787222833","","","2009-12-18 00:00:00 +0000","web","松田聖子とかけてハマチと解く。心は、ブリっ子。","","","","" "6787260383","","","20…

勅撰集編纂

再び民葉和歌集編纂にはまり始めたのだが、 一応これは、新続古今和歌集で途絶えた21代にわたる勅撰集を孝明天皇が復興して、 つまり22代目の勅撰集を作るという設定で私個人が歌を集めているわけ。 仮名序によれば万延元年十二月三日(西暦1861年1月13日)奏…

とりよろふ

「とりよろふ」は万葉集に「大和には群山あれどとりよろふ天の香具山」という形でしかでてこない。 岩波古語辞典はあっさり「不詳。気持ちや生活のよりどころとする意か」とある。 「とりより」から派生したのは明らかであり、こちらは用例が多い。 原義は「…

秋成

秋成の擬古文は、宣長のような堅苦しさもなく、なめらかですばらしい。 みかどに立てば、世をまつりごち、庵のどかに住みなしては、あまねく病に験ある薬を舐めわきて、 惻隠とかの心をいたせしとや。 「まつりごち」は「まつりごと」を活用させた語だが、源…

連歌はつまらない、連歌が和歌をつまらなくした元凶ではないか。

知らぬことにわざわざ首を突っ込むのは危険なのだが、 なんとなく、 和歌をつまらなくしたのは連歌ではないか、と思い始めた。 秋成とか宣長とか真淵とか景樹とか蘆庵というのは、 やはり他の歌人たちとは何かが違う。 特に誰か一人と言えば秋成が良い。次に…

真白嶺と芝山

最近また和歌を詠もうと思いリハビリしてる。 しもふさと むさしを分くる すみだ川 かへり見すれば 富士の真しらね と しもふさと むさしを分くる すみだ川 かへり見すれば 富士の芝山 のどちらがよいか悩んでいる。 「真しらね」は「真白嶺」だが、どうも不…

新撰萬葉集

最近書かれた記事らしい。これはすごい。 新撰萬葉集、 新撰萬葉集 下。 歌は、是貞親王家歌合と寛平御時后宮歌合を合わせたようなもので、 それに、大して良いできとは思えない七言絶句がついている。 そりゃそうと 和歌データベース が落ちてるっぽいんだ…

中島敦の日記と書簡

中島敦の旧宅は今の世田谷区世田谷の世田谷中央病院の辺りだが、 私はこの界隈に二度ほど住んだことがある。 最寄り駅は世田谷線世田谷駅。 松陰神社や代官屋敷も近い。 ボロ市も何度も見たし、豪徳寺を散歩したりもした。 彼の昭和十七年七月十三日の書簡に…

河原院

源融は嵯峨天皇の皇子だが、兄にあたる仁明天皇の養子になっている。 仁明天皇が皇后の子で、源融は庶出大原氏の子だから、この養子縁組は扶養の意味だろう。 河原左大臣こと源融が住んだ河原院はわりと豪勢な邸だったようだ。 源融の男子には源湛、源昇らが…

歴史と文学

小林秀雄の「歴史と文学」というエッセイ読んでる。少し面白い。 例えば明治維新の歴史は、普通の人間なら涙なくして読むことは決して出来ないていのものだ。 これを無味乾燥なものと教えて来たからには、そこによっぽどの余計な工夫が凝らされて来たと見る…

乱れそめにし

伊勢物語第1段 むかし、をとこ、うひかぶりして、平城の京、春日の里にしるよしして、狩に住にけり。 その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。このをとこ、かいまみてけり。 おもほえずふるさとに、いとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。 …

百人一首への招待2

「百人一首への招待」の後の方を読んでいると、 定家と為家の合作説というものも提示されていて、 まあそうかもしれんしそうでないかもしれん。 定家が天智天皇の凡庸な歌を好きなのは、確かに、 天智天皇が藤原氏に非常に関係が深いからかもしれないし、 そ…

相棒

今水谷豊主演の「相棒」という刑事ドラマがばんばん流れているので自然と目に入るのだが、 割と見れる作品だ。 税金でまかなわれている警察という組織、そして警察官という公務員が、 法律の範囲内で、事件にどこまで踏み込めるか、そもそも「刑事事件」とは…

酒のほそ道

風邪引いてだるいので気を紛らすため、例によって駄文を書くことにする。 私はこの、『酒のほそ道』の主人公の岩間宗達のキャラ設定が不思議で仕方なかった。 居酒屋や寿司屋を食べ歩き、飲み歩くばかりではなく、 一人で家で晩酌したり、山登りして景色を眺…

デブ・読書

popular posts 見てるとかなり変なところを読まれている。 デブ。 食べじとて耐へ忍べども朝ごとに計りて増ゆる我が重さかな いつごろ詠んだのだろう。 和歌というのはすぐ詠めと言われても詠めないですよ。 毎日詠んでないと詠めなくなる。 読書。これは宣…

ドゥカス王朝の皇帝交替問題

ドゥカス王朝の皇帝交替問題 という論文を見つけたのだが、 なかなか興味ぶかい。 ま、エウドキアはフィクションなんで脚色してて別にかまわないわけだが、 この論文を読んでもらえば、だいたい史実に沿ってる、ってことはわかってもらえるだろう (めんどく…

もろこし

俊成 もろこしの 人までとほく たづねばや かばかりつらき 仲はありやと 西行 わればかり もの思ふ人や またもあると もろこしまでも たづねてしがな 似てる。 どっちがどっちをまねたのだろうか。

旧作

久しぶりにエウメネスを読んでみたのだが、 比較的新しい作品なんでたかをくくっていたのだが、 すでに相当古びてしまっていて驚いた。 新作を書いたり旧作をリメイクしたりするうちに自分の文体というものがどんどん変わっていく。 たくさん書けば書くほど…

ディエンビエンフー

タイトルが『ディエンビエンフー』でなければこの漫画を読むことはなかったと思う。 作中にも書いてあるが、ディエンビエンフーは厳密にいえばベトナム戦争ではない。 しかし普通の人は(私も含めて)ディエンビエンフーと言えばベトナム戦争を連想するだろ…

鬱ごはん

面白い。それはさておき、 ここに出てくる食事というのは、すべて、 ファミレスだったり、コンビニ弁当だったり、回転寿司だったり、 ハンバーガーだったり、牛丼屋だったりピザだったりインスタント食品だったりする。 そして酒は出てこない。 タバコは一瞬…

世界史

エウドキア無料キャンペーンだが、40位あたりをいまだにふらふらしている。 明らかにいつもと違う。 いつもは、そろそろ100位圏から離脱しているころだ。 理由はたぶん、カテゴリー世界史で1位だからだろう。 世界史はほとんど売れてない。動きがないから、1…

なんて素敵にジャパネスク

氷室冴子はマンガやアニメの原作者としてはすでに知っててまあ好きなほうだから、 小説も割といけるかと思ってためしに『なんて素敵にジャパネスク』を読み始めたのだが、 いろんな意味で驚いている。 まず、こんな昔からラノベって1センテンスごとに改行し…

連作

フローニはなんとか mykindle でアップデートを利用可能にしてもらった。 まあ、三年後くらいには全部一度アップデートしたい。 あまり焦っても仕方ない。徐々に。 川越素描みたいな長編に最初から最後まで付き合ってくれる人はあまりいないと思うが、 個人…

定家私撰集

すでに定家の私撰集と百人一首の異同を調べている人がいて驚く。 秀歌体大略、 近代秀歌、 秀歌大体、 八代集秀逸。 これらを見比べてみると、定家の趣味がよくわかる。天智天皇の 秋の田のかりほの廬のとまをあらみ我が衣手は露にぬれつつ は四つすべてに採…

百人一首への招待

この本には私が疑問に思ったことについてほぼすべてが書いてある。 つまり百人一首の成立過程で、 現在分かっている事実のほぼすべてが網羅されていると言えると思う。 それで読んでみて、結局確かなことは、 定家の日記『明月記』には、天智天皇から飛鳥井…

自分で自分の書いたものを読みなおしてみて

将軍放浪記。 かなり書き直すか追記する必要がある。 たぶんこれを読んで分かる人は南北朝の専門家だけで、 普通の人にわかるようにするにはもっと詳しく丁寧に書かなくてはならないのだが、 南北朝を丁寧に書き始めると何十倍にも膨らんでしまうので不可能…

人虎伝

「山月記」はなぜ国民教材となったのかというのを書いたせいで気になって調べてみた。 山月記の中で、中島敦は虎に 人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短い などと言わせているのだが、 私はこの台詞がすごく好きなんだが、 これ…