不確定申告

tanaka0903

真白嶺と芝山

最近また和歌を詠もうと思いリハビリしてる。

しもふさと むさしを分くる すみだ川 かへり見すれば 富士の真しらね

しもふさと むさしを分くる すみだ川 かへり見すれば 富士の芝山

のどちらがよいか悩んでいる。 「真しらね」は「真白嶺」だが、どうも不思議と用例が少ない。 秋成の歌に

箱根路の 雪踏み分けて 真しらねの ふじの高嶺を 空にみるかな

というのがあるが「富士の真白嶺」とやった人はまだいないらしい。 かたや、「富士の芝山」というのは万葉集に出て、便利とみえて、その後もいろんな人が使っている。 加藤千蔭

あづま路に まづくる春の 日の影を 雪に待ちとる 富士の芝山

うらうらと 富士の芝山 霞む日に 田子の浦舟 ゆたに漕ぐみゆ

明治天皇の歌にも

あづまにと いそぐ船路の 波の上に うれしく見ゆる ふじの芝山

とあり、昭憲皇太后の歌にもあったはず。 どっちがいいかね。