不確定申告

tanaka0903

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夜明け前

島崎藤村『夜明け前』に出てくる主人公の青山半蔵が本居宣長がどうとか平田篤胤がどうとか言っているってことを今月号の中央公論読んで知ったので、『夜明け前』を読んでみようと思う。本居宣長の連載で平田篤胤までたどりつくにはあと何年かかるかわからん…

カズオ・イシグロの作品はたいていの場合、主人公が過去を追想するモノローグという形で進展していく。記憶の断片が拾い上げられる順番は、時系列とか、重要さの順番とか、特に決まってなく、ほとんどランダムな順番に取り上げられる。 もちろん小説なので、…

夜想曲集

「老歌手」 「降っても晴れても」 「モールバンヒルズ」 「夜想曲」 「チェリスト」。 「老歌手」に出てくるリンディ・ガードナーは「夜想曲」にも出てくるので、この二つは続き物とみてよい。 まだリンディと、「チェリスト」に出てくるエロイーズ・マコー…

わたしを離さないで

『わたしたちが孤児だったころ』は、イギリスの社交界や、上海や、探偵、日中戦争などの割と食いつきやすいネタがちりばめられていて、 また独特の間の引っ張り方で、それなりに読み進められたのだが、 この『わたしを離さないで』は、そういう飾りや仕掛け…

わたしたちが孤児だったころ

カズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』をやっと、途中斜め読みしたが、一応読み終えた。 最初は、日中戦争のことが書きたいのかなと思った。アヘン戦争以来の、イギリスによる中国支配のこととか、日本との戦争のことが書きたいのかなと。 でも…

大野晋『日本語の教室』の中で、夏目漱石が太宰春台の『独語』を子供の頃読んで面白いと思った。 一体に漢学者の片仮名ものは、きちきち迫ってきて面白い。などと書かれていて、探してみると、 吉川弘文館の『日本随筆大成』1-17に収録されているので、読ん…