不確定申告

tanaka0903

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

雅葉和歌集

玉風和歌集というのをやっていたが、 雅葉和歌集という名前に改めた。 玉風和歌集というのは玉葉和歌集と風雅和歌集を合わせた名前なのだが、あまりに露骨なので、 それから、できれば万葉集にちなんで「*葉和歌集」という名前にしたいと思い始めた。 それ…

古文漢文

現代日本では古文漢文は相当に衰えてしまっており、受験産業以外にこの分野を支える社会的需要がない、という状況だ。 しかし、あまりにも長い間注目されなかったせいかもしれないが、調べれば調べるほど、 最新の研究による定説の刷新が待たれている分野で…

白石詩草

日本古典文学大系に新井白石の詩がのっている。もとは「白石詩草」に収められている。 早稲田大学 でJPEGとPDFが公開されている。 楷書できちんと書いてあるので読むのは容易だが、意味はわかりにくい。 彼が吉原を詠んだらしい詩がある。吉原だろうと思うが…

鈴屋集巻三

宣長の「鈴屋集」を読む。宣長には「石上稿」というものが別にあった。 思うのだが、「鈴屋集」と「石上稿」はもともと重複のない別の歌集だったのではないか。 「石上稿」は日々の歌道の鍛錬の記録として、時系列に書かれている。 「鈴屋集」はもともと二十…

現実逃避

小説というのは、だいたいが現実逃避なんだなと思う。 現実逃避と言って悪ければ、非日常を描くのが小説。 漢詩や和歌などが、比較的、日常的な感情をそのまま形にするものであるのに対して、 小説の本質は非現実であることが多い。 短い詩形のもの、和歌や…

「過」には平仄で言うと「箇」と「歌」の二種類があり、 「箇」の方は過ぎる、の他に誤りとか罪の意味がある。 「歌」の方は過ぎる、の他に立ち寄る、訪れるの意味がある。 「百代の過客」などと言うが、この「過客」は、通り過ぎるとも訪れるとも解される。…

レジ袋

最近、レジ袋ってなんて便利なんだろうと思い、バッグには欠かさず入れて携帯する。 レジ袋を大事に使うと、レジ袋を消費したい人たち(レジ袋生産者)にも、 レジ袋を撲滅したい人(マイバッグ生産者、ゴミ袋生産者)にも、 環境保護団体(環境保護を飯の種…

大塩平八郎と王陽明

大塩平八郎の詩に 春暁城中春睡衆 遶檐燕雀声虚哢 非上高楼撞巨鐘 桑楡日暮猶昏夢 というのがあるが、これは王陽明の「睡起偶成」という詩 四十餘年睡夢中 而今醒眼始朦朧 不知日已過卓午 起向高樓撞曉鐘 にちなむのであろうと今気付いた。 大塩平八郎は「小…

甲陽

洛陽とか漢陽などと言う。 洛陽は洛水という川の北にあるからである。 武漢の漢陽は漢水の北にあるからだし、ソウルを漢陽とも言うのは、漢江が南に流れている都市だからだ。 「陽」とは本来は、北が高く南が低い土地のことで、南に川が流れていて北に山があ…

科挙に関する誤解

八股文と五言排律の続きだが、 明代初期の八股文について に非常に詳しく述べてあるが、ごく概略を言えば、明末清初の学者・顧炎武は、 経義の文、流俗、之を八股と言う。蓋し成化以後に始まる。天順以前は経義の文、伝注を敷衍するに過ぎず。或いは対にし、…

白河天皇

白河天皇と金葉集を調べていたのだが、調べれば調べるほど興味深い。 まず、勅撰集の初めは古今集となっているのだが、これは、 おそらく紀友則が中心となって数名が当時の流行歌を蒐集し、 友則が途中死去したので従兄弟の紀貫之が後を継いで、醍醐天皇の勅…

「是」は難しい。 漢和辞典を見ると、「是」は「これ」「この」という指示代名詞であると書いてある。または「ただす」という意味だと。 しかし中日辞典では、たしかに書き言葉として「是日(この日)」という使い方もあるにはある。 たとえば李白の詩に「疑是…

八股文と五言排律

岩波文庫の「唐詩選(中)」を読んでいて気付いたのだが、 四書題(八股文)と五言排律とはその文書構造が酷似している。 どちらも科挙に出題される。 偶然の一致とは思えない。 というわけで、 帝都春暦 に少し加筆した。 wikipedia 八股文 に 三田村泰助(1976…

西行の歌

身を捨つる人はまことに捨つるかは捨てぬ人こそ捨つるなりけれ 詞歌和歌集には読人しらず題知らずで載っている。 が、世の中では西行の作だということになっている。 私も漠然とそう思ってた。 が、「山家集」には取られていない。 「山家集」はけっこうな分…

ナポレオン三世と愉快な仲間たち

アルプスの少女デーテは一度非公開にして徹底的に書き直そうかとも思ったのだが、割とアクセスもあってもったいないので、そのままだらだら書き直す。 ナポレオン三世の話を詳しくした。 変な人だな。 それから、アルムおじさんだが、もとはスイスからリヨン…

ナポレオン三世の兵站

『怪帝ナポレオンⅢ世』ところどころ面白い。 ナポレオン三世のフランス軍はクリミア戦争でも兵站がひどかったようだ。 イタリア戦争でも、おそらく、ナポレオン三世が自分だけ先に最前線についたのだろう。 皇帝をほうってはおけないから、後から軍隊がつい…

漢詩

毛沢東の七言律詩 人民解放軍占領南京。 少し面白い。 七言律詩は一二四六八で押韻し、初句は押韻してもしなくても良いらしい。 二句目だけ「江」で、残りは「陽」。 「江」と「陽」はいわゆる通韻ではない。 「江」と通韻できるのは「東」「冬」だけ。 「陽…

家名と姓

佐藤賢一『カペー朝』を読む。 「ユーグ・カペー」はユーグが名前でカペーが名字だと思うが、 カペーはあだ名にすぎない。 ユーグの家系はロベール家と呼ばれるが、ロベールも単に、 代々ロベールという人が当主になったという程度の意味であり、 ロベール家…

怪帝ナポレオンⅢ世

鹿島茂『怪帝ナポレオンⅢ世』というものを借りてきた。 ナポレオン三世に関する本というのはなかなか無い。珍しい。しかも翻訳ではない。 全体はゆっくり読ませてもらうとして、ともかくもイタリア戦争のところを読んだ。 Wikipedia などと合わせ読むと次の…

病中偶成

漢詩は推敲し始めると止まらない、ということがよくわかった。 漢詩の作り方の本など熟読。 日本人は直感的に漢詩の良し悪しを判断できない。感覚的に作れないから、どうしても規則にこだわってしまう。 こだわらざるを得ない、ということもわかってきた。 …