不確定申告

tanaka0903

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新撰組始末記

新撰組始末記の中に「竜馬暗殺」という章がある。 「勝海舟」の中の描写とほぼ同じ。 しかし「軍鶏を買ってこい」というセリフはなく、 また「おれは脳をやられた。もういかん」ではなく 「慎太、僕は脳をやられたから、とても駄目だ」となっている。 まあ、…

子母沢寛と司馬遼太郎 2

思うにこれまで、子母沢寛と司馬遼太郎というのは、あまり対比して語られることはなかったと思うのだが、 比べてみるといろいろと面白い。 境遇が似ている。何度か面談もし、対談も残している。 どちらかと言えば、司馬遼太郎が一方的に慕ったかたちだ。 子…

子母沢寛と司馬遼太郎

1967年に子母沢寛と司馬遼太郎が対談している。 子母沢寛は1968年に死んでいるので最晩年だが、 司馬遼太郎は44才、「燃えよ剣」や「殉死」など、 初期の作品を書いたばかりの頃だ。 司馬遼太郎ははたちくらいに子母沢寛の「新撰組始末記」を読んで、 どうし…

子母沢寛

子母沢寛という人は、彰義隊や新撰組のことばかり書いているので、 てっきり江戸っ子か何かかと思っていたのだが、wikipedia を読むと彼の出自はさらに濃い。 祖父が彰義隊に参加した江戸の御家人で、 箱館戦争までつきあって敗れてそのまま北海道に定住した…

紀貫之と吉田松陰と坂本龍馬

坂本龍馬の有名な歌 世の中の人は何とも言はば言へ我がなすことは我のみぞ知る については以前も考察した1)2)。 これは直接には、吉田松陰の歌 世の人はよしあしごともいはばいへ賤が心は神ぞ知るらむ を本歌とするものだと思っていたのだが、紀貫之の歌に …

さながら

ふと、「さながら」という言葉が気になったので、 さみだれの日数まされば飛鳥川さながら淵になりにけるかな 恨むべき人はさながら昔にて世にも知られぬ身とぞなりゆく 秋ぞ変はる月と空とは昔にて世々経しかげさながらぞ見る 為兼 思ひ寝の夢にうれしきおも…

ほんとうの秀歌

後撰集や拾遺集を読んでいるのだが、 ほんとうの秀歌というのは、三代集、つまり古今・後撰・拾遺集のよみ人知らず、 または人麿の歌にこそあると思うんだな。 しかし現代日本人はまず、小倉百人一首から和歌に入る。 そうすると、とんでもない駄作、まった…

松下ソニー時代

日本がかつて一億総中流社会とか、終身雇用などと言う、産油国かなにかのような、 繁栄を謳歌したのは、松下やソニーや東芝や日立や三菱などの家電会社からの、 膨大な税収があったからだ。 私は、たとえば松下幸之助が、個人的に偉大だったというつもりはま…

示現流

示現流は、一の太刀があって二の太刀がないと言う。 しかし、西部劇ではあるまいし、 一発だけで勝負が決まるというのは実におかしな話だ。 剣道でも残心というものがある。 一の太刀しかいらないのであれば残心も不要だ。 示現流は戦国時代に出来たのではな…

賭博税

他にもいろいろ考えてみた。 今、法律で禁じられていることを、高額納税者にだけ許可する。 その代わり税金をよけいに払う。 たとえば賭博。 年収が2000万円以上の人は、たとえば年に200万円まで賭博をしてもよい、ということにする。 年収が1億円の人は1千…

重婚税

日本の税収を画期的に増やす方法を思いついた。 重婚を許せばよい。 日本は昔から金持ちにはたくさん妾がいた。 倫理的にどうとかは知らん。 性別に限らず、重婚した場合には、たとえば年に500万円くらいの税金をかける。 そうすれば、 年収が2000万円の人は…

夏の歌

拾遺集と後撰集を読み始める。 「よみ人も」とはなんじゃと思ったが、「題知らず」に続けて「よみ人も知らず」という意味なのだな。 古今集に比べて夏の歌が多い。 蝉の声聞けばかなしな夏衣薄くや人のならむと思へば 今日よりは夏の衣になりぬれど着る人さ…

義経

司馬遼太郎全集をまた読み始める。 「義経」の最初の方に、 武家は二流にわかれている。源氏と平家であった。その勢力地図もくっきりしている。源氏は東国に地盤をもって騎馬戦が強く、 平家は西国に地盤をもって、海戦と貿易に長じていた。 というのだが、…

しちすつの濁音のこと

司馬遼太郎が「歴史を紀行する」に 坂本竜馬は生涯、どの土地のたれに会ったときでもまる出しの土佐弁で押し通したという。 おかしければ本居宣長の「玉勝間」を読め、というところであろう。 そこでは土佐人の発音の正確さについてほめて書かれているのであ…

人の出去りし跡を掃くことを忌むこと

玉勝間というのは、徒然草に匹敵するものだと思うのだが、あまり古典として高校教育などで読むことはないのだが、 その玉勝間に 人が出でゆきしあとを掃くことを忌むは、葬の出でぬる跡を掃くわざのある故なり とある。人を追い払ったあとで塩をまくというの…

椿三十郎

おもちゃの刀をいじっていてふと気づいたのだが、 椿三十郎の最後の立ち会いの場面で、 三船敏郎は、左手で左にさした刀を外側に向かって抜き、 右手を左手と刀の間に入れて、 右手で刀の背を押し出すようにして、相手の右脇腹を押し切りしている。 というこ…