不確定申告

tanaka0903

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

達磨歌

冷泉為人「冷泉家・蔵番ものがたり」を読む。 藤原俊成・定家から続く冷泉家当主が書いた本。重い。 冷泉家は天皇が東京に遷都しても京都に残り続けたのだと言う。 定家の歌は当時「新儀・非拠・達磨歌」と批判されたという。 達磨とはつまりは禅宗の創始者…

神武天皇のひげ

ふと思ったのだが、 昔ひげを生やしていたとき君のひげは神武天皇のようだなといわれたことがあった。 あんたは神武天皇見たことあるんかい、と思ったのだが、 もちろん神武天皇を見た人はいるわけもないし、当時の絵画が残っているわけでもない。 そんなも…

広尾

ふと思ったのだが、明治天皇御製: 武蔵野の昔おぼえてはなすすき広尾の原にしげりあひたる かぎりなく見ゆる広尾のすすき原市にまぢかき所ともなし この広尾のすすきの原というのは、 明治のころ広尾に広いすすきの原野が残っていたというのではなくて、 い…

鎌倉百人一首

尾崎左永子「「鎌倉百人一首」を歩く」を読む。 北条泰時: 年へたる鶴の岡べの柳原青みにけりな春のしるしに 藤原長清撰「夫木和歌抄」というものに採られたものと言う。 宗尊親王: 十年あまり五年までに住みなれてなほ忘られぬ鎌倉の里

日本史百人一首

渡辺昇一「日本史百人一首」。 平凡な構成。 北条泰時: 事しげき世のならひこそものうけれ花の散るらむ春も知られず いやあ。京都で訴訟に忙殺されていたきまじめな泰時の姿が目に浮かぶような良くできた歌だけど、 本人が詠んだ歌じゃないよな。 太田道灌以…

私撰武家百人一首

竹村紘一「士魂よ永遠に 私撰武家百人一首」を読む。 徳川慶喜 とりわきていふべきふしはあらねどもただおもしろくけふもくらしつ なんだか良い味出してるなあ。 佐久間象山 みちのくのそとなる蝦夷のそとを漕ぐふねより遠くものをこそ思へ なかなか面白い。…

俵万智

俵万智「短歌をよむ」を読む。 いきなり俵万智という歌人が生まれたのではなく、 佐佐木幸綱、他、村木道彦などの影響の下にできたのだろうなぁと、 まあだいたい自分の中では納得がいった。

無名武士の歌

相変わらず「武人万葉集」。 西郷隆盛とか赤穂浪士とか、或いは新撰組の有名人らの歌には後世の偽作もまざろうが、 西南戦争や彰義隊の比較的無名な人たちの歌にわざわざ偽作が混ざる可能性は低いと思うので、 おそらく真作だと思うのだが、なかなか身につま…

賤の心もしづごころなし

牧水のまねをしてみた。今は後悔してる。 居酒屋のともしびともる夕暮れは賤の心もしづごころなし ええっと。 敢えて解説すれば本歌は吉田松陰の「賤の心は神ぞ知るらむ」と、 紀友則の「静心なく花の散るらむ」です。 で、賤と静をかけるのは静御前の歌があ…

ジーンズ怖い

今日何気なく横浜辺りで登りのエスカレータに乗っていてふと前の親父のズボンを見ると、ジーパンにサイズのシールが貼られたままになっている。 胴回り94cm、股下69cmとかって、ジーンズ的にはあり得ないサイズを履いている。 いや、自分的にはですね、ウェ…

マオとヨナ

マオちゃんというと毛沢東の子供かと思うのは私だけなのだろうか。 ヨナというと鯨に飲み込まれた人を連想するのだが。 それにしても、暑い。 ていうか、真央は銀でよかったじゃないか。 無理に張り合うと破綻したよ。 地味で派手さがない罠。笑顔も地味。色…

もののふの

頼朝 もののふの八十宇治川をゆく水の流れてはやき年の暮れかな 柿本人麻呂 もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波のゆくへ知らずも 元明天皇 ますらをの鞆(とも)の音すなりもののふの大臣(おほまへつきみ)楯立つらしも 笠金村歌集 もののふの臣(おみ)の…

宗尊親王

小川剛生「武士はなぜ歌を詠むか」を読むと、太田道灌の歌はほとんど後世の偽作だと書いてあり、悲しくなる。 太田道灌と後土御門天皇の問答歌なども、 「関八州古戦録」という江戸時代に書かれた軍記物に載っている話で、 太田道灌の時代から300年も後なわ…

牧水

若山牧水来ました(笑)。 朝日影さし入りて部屋にくまもなししみじみとして酒つぐわれは ひどい歌だな。朝っぱらから酒か。 ほんのりと酒の飲みたくなるころのたそがれがたの身のあぢきなさ わかる気はする。 病む母を眼とぢおもへばかたはらのゆふべの膳に酒…

太田道灌

松崎哲久「名歌で読む日本の歴史」を読んでいるのだが、太田道灌の歌: 露おかぬかたもありけり夕立の空より広き武蔵野の原 確かに関東平野は夕立が降る箇所もあれば降らぬ箇所もあるだろう。 わが庵は松原つづき海近く富士の高嶺を軒端にぞ見る 江戸城のよう…

神武天皇の歌

古事記に出てくる神武天皇の歌。 阿斯波良能 志祁志岐袁夜邇 須賀多多美 伊夜佐夜斯岐弖 和賀布多理泥斯 これは あしはらの しけしきをやに すがたたみ いやさやしきて わがふたりねし 漢字混じりで書くと 葦原の 蕪しき小屋に 菅畳 いやさや敷きて 我が二人…

風騒集

陳舜臣の漢詩集。 日本語の詩も少々。 波斯 歴山攻陥帝王台 遥望波斯已劫灰 歴山はアレキサンダー。 波斯はペルシャまたはペルセポリス。 「アレキサンダーは帝王の王宮を攻略して落とした。 遥かに望めばペルセポリスはすでに灰燼に帰した。」 というような…

サラダ記念日

何か気になったので20年ぶりくらいに「サラダ記念日」を見てみたが、レベルの高いのに驚く。 どうしても海が見たくて十二月ロマンスカーに乗る我と君 江ノ島に遊ぶ一日それぞれの未来があれば写真は撮らず など。 これらはどちらもたまたま五七調だが、おも…

富士川の戦いの謎

富士川の戦いというのは非常に謎が多いが、平将門の乱の時と合わせて考えるとわかりやすいのではないか。 平将門のときは基本的には平貞盛との、平氏の中での派閥争いだったのが、 いつの間にか将門が暴走して謀反、さらには東国の武士たちに擁立されて関東…

伊豆急

伊豆急って東急の子会社なんだ。 伊東から小田原まではJRに乗り入れてるんだな。 なるほど。下田や修善寺に行くには「踊り子」か「スーパービュー踊り子」に乗るのが結局速くて安いわけだな。 途中まで小田急使えるから余計に安いわな。 思ったよりも安いん…

皇太子50才

いやーびっくり。 浩宮が50才の誕生日とは、道理で私も年を取るわけだわ。 昔は浩宮礼宮紀宮って言ってたよね。 浩宮は今上天皇即位と同時に立太子して皇太子だが(つまり結婚するかどうかは関係ない)、 礼宮は結婚したときに宮家創設。 紀宮は結婚すると臣籍…

カーリング男子

なるほど。 カーリングは女子ばかり放送されるのはアレがアレだからかと思ったら、 男子は日本代表が予選落ちしたからなのだな。 別にアレがアレなわけではないのだ。

連休分散

一般論として言えば、 連休を分散させる、もしくはそもそも連休などというものをなくしてしまう、というのは良いことだ。 全国一斉に休まないと、顧客が休んでないときには結局自分も休めないから意味がない、 などというのはそういう業種のエゴに過ぎない。…

桜木町

産経新聞に、桜木町駅前に桜の植樹をしようとしたという話があり、 やっと二本植えることになったという。 日本人に愛される桜も役所にとっては、毛虫が出やすく枝が低く広がって管理の大変な「街路樹としては実に困った存在」(横浜市道路局施設課)だそう…

USBフットペダル

USBフットペダルか。 値段もそれほど高くない。 五つか七つくらいあればFPSで武器の切り替えにちょうど便利な気がする。 あとはグラフィックス系の、たとえばペンタブ作業などでツール切り替えとか、どうよ。

徳川慶喜と勝海舟

引き続き、氷川清話。 明治31年3月2日、徳川慶喜が宮中に参内した。 つまりかつて自分があるじだった場所で臣下として明治天皇に拝謁した。 日清戦争も終わり、明治政府も安定してきてやっと実現したということだろう。 翌日、慶喜は勝海舟宅を訪れ、そのと…

やまとのつち

和歌にはまだ何千年の寿命があるかもしれぬのに、 王朝時代までに和歌を封印しようとした丸谷才一は、やはり許せぬ、と思った。 明治の歌人たちの実験など笑って許せば良いのだ。 やまとうたは、日本という国の連続性の象徴なのである。 大和の土を詠める: …

幕末百人一首

菊池明「幕末百人一首」を読む。 なかなか面白い。 土方歳三は司馬遼太郎の「燃えよ剣」では下手の横好きの俳句詠みとして描かれているが、 よしや身は蝦夷が島辺に朽ちぬとも魂は東の君や守らむ とあってこれはどうにもこうにも、吉田松陰の辞世の歌 身はた…

氷川清話

今更だが、「氷川きよし話」、ではない。 江藤淳・松浦玲編「氷川清話」を読み返すと、 いろいろ読み飛ばしていることに気づく。 頼山陽について、二箇所ばかりでてくる。 一つは、自作の川柳だか俳句だかとくらべて山陽の詩 「泊天草洋」を「まだまだ小さい…

私小説のすすめ

小谷野敦「私小説のすすめ」を読む。 比較的最近の本。 特に異論はない。さらっと読めた。 というか私はそもそもあまり小説というのは読んでないのだな。 いろんなものをつまみ食いはするが。 いや、読んでないわけでもないか。 小説で一番まじめに読んだの…