不確定申告

tanaka0903

新撰和歌

新撰和歌2

「新撰和歌」みてるとけっこうわけのわからない歌とか、あまり面白くない歌も含まれている。 わけのわからない歌を「古今集」などで確かめてみると、 貫之本人のせいか途中で写した人のせいかは知らないが、間違っているものも多い。 「古今集」に比べれば「…

新撰和歌 巻第四 恋・雑 荓百六十首 (2/2)

281 おもふどち まとゐせるよの からにしき たたまくをしき ものにざりける 282 人はいさ 我はなき名の をしければ むかしもいまも しらずとをいはむ 283 わが身から うき名のかはと ながれつつ 人のためさへ かなしかるらむ 284 あまぐもの よそにも人の な…

新撰和歌 巻第四 恋・雑 荓百六十首 (1/2)

202 しのぶれば くるしきものを 人しれず 思ふてふこと たれにかたらむ 古今519。題知らず、読み人知らず。 203 人しれず おもふこころは 春がすみ たちいでてきみが めにも見えなむ 古今999 「寛平御時歌たてまつりけるついてにたてまつりける」 藤原勝臣 2…

新撰和歌 巻第三 別・旅 荓二十首

181 たちかへり 稲葉の山の みねにおふる まつとしきかば 今かへりこむ 古今365、題知らず、行平 182 あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさの山に いでし月かも 古今406、「もろこしにて月を見てよみける」「この歌は、むかしなかまろをもろこしにも…

新撰和歌 巻第三 賀・哀 荓二十首

161 わが君は 千代にましませ さざれ石の いはほとなりて こけのむすまで 162 なくなみだ 雨とふらなむ わたり川 みづまさりなば かへりくるがに 163 わたつ海の はまのまさごを かぞへつつ 君がいのちの ありかずにせむ 164 ちのなみだ おちてぞたぎつ しら…

新撰和歌 巻第一 荓序

玄番頭従五位上 紀朝臣貫之上 昔延喜御宇、属世之無為、因人之有慶、令撰萬葉集外、古今和歌一千篇。 更降勅命、抽其勝矣。 伝勅者執金吾藤納言、奉詔者草莽臣紀貫之 云云。 未及抽撰、分憂赴任、政務餘景、漸以撰定。 抑夫上代之篇、義尤幽而文猶質、下流之…

新撰和歌 巻第二 夏・冬 荓四十首

121 我がやどの 池のふぢなみ さきにけり 山郭公 いまやきなかむ 122 たつた山 にしきおりかく 神なづき いぐれのあめを 立ぬきにして 123 時鳥 花たちばなに うちはぶき いまもなかなむ こぞのふるごゑ 異本歌、ほととぎす花橘に香をとめて鳴くはむかしの人…

新撰和歌

紀貫之は割とアバウトな人だった。『土佐日記』に 世の中に 絶えて桜の 咲かざらば 春の心は のどけからまし 青海原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも などと記しているが『古今集』では「咲かざらば」は「なかりせば」だし、 「青海原」は…

新撰和歌 巻第一 春・秋 荓百二十首

1 袖ひちて むすびしみづの こほれるを 春たつけふの 風やとくらむ 古今2 「はるたちける日よめる」貫之 2 秋きぬと めにはさやかに みえねども かぜの音にぞ おどろかれぬる 古今169「秋立つ日よめる」敏行 3 春がすみ たたるやいづこ みよしのの よし野の…