酒のほそ道
風邪引いてだるいので気を紛らすため、例によって駄文を書くことにする。 私はこの、『酒のほそ道』の主人公の岩間宗達のキャラ設定が不思議で仕方なかった。 居酒屋や寿司屋を食べ歩き、飲み歩くばかりではなく、 一人で家で晩酌したり、山登りして景色を眺めながら飲んだりする。 年は29歳、独身。 恋人未満の女友達がいる。
自分もそうだったが、 普通に仕事していて独身の男で飲み歩きが好きならば、 自宅で一人で晩酌するなどもったいない、一軒でも多くの店を開拓したいと思うのではなかろうか。 またたった一人で旅行して酒を飲んだりするというのが解せない。
でまあ今回この第三巻を読んでみて思ったのだが、 作者のラズウェル細木という人は、すでに嫁がいて子供がいる人なのである。 妻子持ちならば、一人で酒を飲みたくなることは十分ある。 つまみは缶詰でたった一人の晩酌でもいいから飲みたいというのは人間関係から逃れたいから。 とにかく家庭や仕事、妻子から逃げ出して一人きりになりたいのだ。 その自分を独身男性に投影するからキャラがなんか不思議なことになっているんじゃないか。
ラズウェル細木自身はメタボでもなくハンサムな男だそうで (追記。つか、youtubeに露出してるじゃんか。 ハンサムかどうかはともかく、痩せてるな)、 だからこそ彼は、メタボで独身でどちらかと言えば三枚目で、 独り飲みが好きな架空の男を作り出したのだろう、という結論に達した。 彼はアシスタントの女性と結婚して離婚している。育児マンガも描いている。 離婚した妻は今もアシスタントとして働いているという。 独りで飲み歩きたい気持ちが伝わってくるよなあ。
というかもともと自分とはまったく別のキャラを描こうとしたのだが、 キャラというのは自然と自分に似てきてしまうので、 連載しているうちにあんなふうになってしまったのかもしれん。
元妻のブログ というものもある。