上野西郷隆盛像碑文
西郷隆盛君之偉功在 人耳目不須復賛述前 年 勅特追贈正三位 天恩優渥衆莫不感 激故吉井友實輿同志 謀鑄銅像以表追慕之 情 朝旨賜金佽費捐 資賛此擧者二萬五千 餘人明治二十六年起 工至三十年而竣乃建 之上野山王臺記事由 以傅後
西郷隆盛君の偉功については皆さんご存じでしょうから、 改めて讃え述べることもないでしょう。 前年、勅によって特別に正三位を追贈され、 天恩が手厚いことに皆感激しないことはありませんでした。 故に、吉井友実は同志とともに銅像を鋳造し、追慕の情を表すことを計画しました。 朝廷から金銭を賜り費用に充てよとのご意向があって、 この挙に賛同し義捐金を拠出した者が二万五千人余りあり、 明治二十六年に起工し、明治三十年に至って竣工し、 これを上野山王台に建てて事由を記し、以て後世に伝えます。
「勅」「天恩」「朝旨」などに闕字が使われている。