八千草のいづれがそれか忘れ草名にのみ聞きて我れ知らなくに
野辺に出でて我れも摘みてむ忘れ草よもまがはじよ忍ぶ草とは
忘れ草忘れな草ととりよろふ野の八千草にまどひぬるかな
忘れ草同じ忘るるものならば酒飲むこともなほ忘れなむ
牛ならばひねもす野辺にたむろして草をはみつつもの忘れせむ
なかなかに忘れがたくば野の牛になりてひねもす草もはままし
忘れ草生ふる尾上に住む鹿は妻を忘れてうれひなからむ
うーんと。
ワスレグサは初夏に、ワスレナグサは春に咲くもののようだ。
忍ぶ草とは、吊りしのぶのようなシダのことだろう。季語は秋だが、
初夏に萌え出でる。