不確定申告

tanaka0903

2014-01-01から1年間の記事一覧

詠草

若かりしころに学びしたのしさも よはひとともに消えはてむとす いつよりかなりはひをかくいとひけむ たのしかりけるほどもありしを 世をはなれ歌のみ詠みて暮らさまし むかし学びしことも忘れて

スペイン

思うに、完全に個人の感想レベルだが、 スペインのワインがうまいのは、普段現地で飲んで消費しているのと同じものを輸出にも回しているからだろう。 ブラジルはブラジル人が好きだからコーヒーを栽培したのではない。 今はブラジル人も好きなのかしれんが、…

小説の書き方

マンガのコマ割りと、動画の絵コンテは違う。 絵コンテは一見四コマ漫画みたいのがずーっと続いているようにみえるわけだが、 同一のカメラでここからここまで連続して撮る、という情報が含まれてなくてはならない。 これをカットと言っている。 カットを集…

spam

Greetings. I'm contacting you on behalf of famous hiring agency. You were highly recommended by your friends and we already had you in our files long ago. We have a very respectable job. I know this position will fit you just fine. We work…

ジブリ

ディズニーチャンネルなど見ていると、 どうしても、なぜジブリはディズニーになれなかったのだろうと考えてしまう。 「もののけ姫」や「千と千尋」を出してた、一番体力のある頃に、 もう少し経営を多角化しておけばよかった。 ディズニーみたいにCGも使い…

和歌の詠み方

和歌の詠み方に関するメモ というものを読んだ。 なるほど確かによくまとめてある。 だが一方で、これでは結局現代人が歌を詠もうと思って詠めるようにはならんと思う。 頭でっかちになるだけで、今の時代を生きる自分が、どのような歌を詠めばよいのかとい…

「とある」と「かかる」

「或る」を「と或る」と書く表現がはやっていて、特に、 ラノベのタイトルに唐突に用いられるのがよく見受けられる。 なぜ「ある」と書けばよいところをわざわざ「とある」と書くのかという疑問がわいてくるのだが、 文法的に間違っているとも言い難い。 こ…

会話記号

『山月記』の会話記号。 確かに中島敦は句読点やカギ括弧の使い方にかなりのゆらぎがある人で、 私としてはそれに好感を持っている。 言語として意味が通るかぎり作家は出版社や新聞社の慣習や、文部省の指導要領などから自由に、 文章を書くべきである。 作…

労働からの解放

H・G・ウェルズのタイムマシンというSFでは未来の人は働く必要がなくて、 ずっと子供のまま成長せず、遊んで生殖活動だけしていると描かれている。 人類は文明が発展して労働から解放されつつあるのは確かだが、 同時に労働を奪われつつもある。 みなが労働…

安積

たまたま郡山に行っていたのだが、郡山と言えば安積(あさか)である。 安積山かげさへみゆる山の井の浅き心をわが思はなくに 極めて古い歌である。 安積香山 影副所見 山井之 淺心乎 吾念莫國 右歌傳云 葛城王遣于陸奥國之時國司祗承緩怠異甚 於時王意不悦…

山家心中集

岩波書店の全集あるいは岩波文庫などでは、 勅撰集は定家の新勅撰集まででそれ以後の歌集がほとんどない。 8代集以降の21代集やら数々の私家集は、確かにおおむね退屈だが読まなくて済むものではない。 特に私は最近、正徹に注目しているのだが、詳しいこと…

「いただく」と「くださる」

例によって病院で処方箋もらってドラッグストアで薬出てくるのぼーっと待っていたのだが、 店内アナウンスで、最初に 「本日のご来店まことにありがとうございます。」とか 「ご来店いただきましてありがとうございます。」という枕で始まって 「ご来店いた…

自殺

すでに誰か指摘していることだと思うが、 夏目漱石の「こころ」では「K」がまず自殺し、次に乃木希典が妻を巻き添えにして殉死という形で自殺し、 最後には「先生」も自殺してしまう。 この小説のテーマが自殺であることは紛れもない事実だ。 なぜ高校の教科…

シンクロ率

小説を書けば書くほどにわからなくなっていく。 著者と読者が共感できる話を私は書けないのだろうか。 読者と、せめて50%くらいはシンクロしたい。 100%はまあ無理として(著者しか知らない裏設定などがあるから)80%とか90%くらいは普通にシンクロしたい。 …

著者不在読者万能

私の小説の中では「エウメネス」「エウドキア」がよく売れている方なのだが、 比較的マイナーなはずのエウドキアが売れている理由がよくわからなかった。 だがオタクの世界では、エウメネスほどではないにせよ、エウドキアはよく知られたキャラであり、 エウ…

砂丘

最近になってミュートとリストという機能をおぼえて、割とほんきでツイッターを使い始めた。 小説を書いて公開していて思うことだが、 こういうコミュニティは閉じていて、 一定以上の読者を獲得するのは難しい。 いろんなコミュニティを渡り歩くのは有効で…

安倍総理の一手

今回のアレの騒動や成り行きを見てて思うに、安倍総理は基本的には正しい判断をしたと思う。 さすがに安保闘争で辛酸を嘗めた岸総理の外孫だけのことはあり、 左翼の生態をよく知っている。 本人はともかくとしてブレインはそうとう優秀だ。 きちんと国民投…

ウィキペディア「夢」 にも、 夢を見る理由については現在のところ不明である。 などと書かれているのだが、 どうも夢というのは、 外部からの感覚が遮断された状態の脳の活動そのものではないか。 私たちは夢というものを寝ている間に見る不思議な演劇のよ…

作御歌

古事記の読み下しというのはいったいだれがどうやってきめたのか、よくわからんのだが、 「作御歌」は「みうたよみしたまふ」と訓じているようである。 思うのだが、「御」を頭に付けて敬う用法は漢語にはなくて、 本来は「統御」「還御」などのように、 動…

傘松道詠

道元歌集 春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり おし鳥や かもめともまた 見へわかぬ 立てる波間に うき沈むかな 水鳥の ゆくもかへるも 跡たえて されども道は わすれざりけり 世の中に まことの人や なかるらむ かぎりも見へぬ 大空の色 春…

見しやいつ

正徹 見しやいつ 咲き散る花の 春の夢 覚むるともなく 夏はきにけり なかなか巧んだ歌である。 「春の夢覚むるともなく夏はきにけり」 まさに今の季節をうまく言い表しているなあと思う。 「見しやいつ」 もなかなか斬新な言い回しだなと思って検索してみる…

釣月耕雲と禁葷食

相変わらず「山居」が良く読まれているのだが、 それでいろいろ人とも話をしてみて、 果たして道元は魚を釣って食ったのか、ということを、 もすこし突き詰めて考えてみる必要があるなと思った。 道元の時代、親鸞も日蓮も末法無戒を主張し、肉食を禁じなか…

皇室は日本の役に立たない

石原慎太郎、衝撃発言「皇室は日本の役に立たない」「皇居にお辞儀するのはバカ」 によれば、石原慎太郎が 皇室は無責任極まるものだし、日本になんの役にも立たなかった。 石原氏は戦時中、父親から「天皇陛下がいるから皇居に向かって頭を下げろ」と言われ…

漫画貧乏

佐藤秀峰「漫画貧乏」はキンドル版ならば無料で読めるのだが、 例によって 漫画 on Webの広報的なものであり、漫画 on Webでも無料で読めるものである。 前半部分の漫画はすでにどこかで読んだことがあった。 後半の文章はかなり長いが一応読んでみた。 NHK…

男系女系

女帝は奈良時代に圧倒的に多く、 平安遷都してからはしばらく途絶えて、 その次は江戸時代の明正天皇まで時代をくだらなくてはならない。 後水尾天皇が春日局と家光に腹を立ててむりやり明正天皇に譲位したのだから、 やはりかなりイレギュラーな即位だった…

深む2

昨日書いたことは少し自信がなくなったので、非公開にした。 改めて書いてみる。 「秋深む」を認めるかどうか 「深む」だが、口語では自動詞の場合「深まる」であり、他動詞だと「深める」である。 文語だと他動詞下二段「深む」はあるが、自動詞の「深む」…

京都巡り

旅行に出かけて寺や神社に詣でるときには、 寺では鐘楼を、 神社では舞殿を撮るようにしている。 鐘楼を撮るのは「巨鐘を撞く者」を書いたからであるし、 舞殿を撮るのは「将軍放浪記」を書いたからである。 鐘については以前も書いた。 上の写真は相国寺の…

指月殿

以前に修善寺温泉というのですでに書いたのだが、 京都旅行をして気になったので少し加筆する。 伊豆修善寺に政子が頼家のために建ててやったという指月殿というのがあるんだが、 もし当時創建のままだとすると鎌倉初期。 当然国宝になってなくてはならない…

皇統の正統性

状況証拠的に見ると大化の改新というものはなかった、と言って良いだろう。 中大兄皇子と中臣鎌足が謀り、皇位簒奪をもくろんだ蘇我氏を滅ぼしたことになっている。 皇族と蘇我氏の間で紛争があって、 蘇我氏が排除され、孝徳天皇が即位した、という以上の意…

京町屋

豪雨の関東を脱出してなぜか京都にいた。 雨も降ったが割と晴れていた。 普通のホテルではなくて町屋一棟借りて住んでみたのだが、 町屋というのはいわゆる一軒家ではない。 棟割り長屋、つまりテラスハウスであって、 長屋でないとしても、隣の建物と完全に…