不確定申告

tanaka0903

祇園梶子の歌

しづのめが降り立つ小田の水かがみ見るひまもなく取る早苗かな

雪ならばとひこし人のあとも見む木の葉に埋む庭の通ひ路

契りしは昔なりけり思ひ寝の夢には絶えぬ人の面影

つらくのみ過ぎこし方を忍べとや憂きひとり寝に立てる面影

雪ならばこずゑにとめて明日や見む夜のあられの音のみにして

よみ人しらず

あはぬ間にいかに恨みの多かりきこよひは何を語りあかさむ

かへし

よしさらばくらべかこたむあはぬ間の恨みの数はいづれまさると

あふことを夢なりけりと思ふにもさめしうつつぞ苦しかりける

契りあれば夢にもあふと思ふにぞさめしうつつのたのみなりける

もえわたる沢の蛍を憂き人に見せばや身にも余る思ひと

こひこひてまた一とせも暮れにけり涙の氷あすやとけなむ

最後の歌は14才(満で12か13才)の時の歌というから、なんとも早熟だ。