1986-04-05 ■ 詠歌 なつかしき かほもみまほし 過ぎし日に 見てしおもかげ おぼろなるゆゑ 野のつたの 軒の網戸に 伸びたるが 窓を開くれば ほとけ落ちたり 夏の間に かび覆ひたる 皮バンド 針のめぐりは 狂はざれども くちぶえの うそぶかれけり ほほづゑを つきてつくゑに むかひゐたれば ひとのめに いかにうつりて あるわれぞ われひとりのみ あらじとおもふに