不確定申告

tanaka0903

パルティア

パルティア (Parthia) は、ペルシャ (Persia) と同語源であり、現在のファールス (Fars) 州のことだと思っていたのだが、 どうも違うようだ。 ファールス州というのはアケメネス朝とサーサーン朝の故地であり、 Fars == Persia であり、 時間軸で言うと、セレウコス朝シリアとサーサーン朝ペルシャの間にパルティア、つまり、アルサケス(アルシャク)朝パルティアがある。 アルサケスはギリシャ語のアルタクセルクセスに相当するらしい。初めて知った。 インド国内のゾロアスター教徒 Parsi も Fars と同語源。

パルティアは、トルクメニスタン、というかホラサーン北西部を故地とするのであるが、イラン人の王朝にしては、あまりにも外れにある。 パルティアの語源はイラン語の地名 Parthava であると言う。 パルティア初代王は、イラン系の古代スキタイ人だと言うが、 はて、スキタイ人はトルコ系ではなかろうか。イラン人がそんなに北に居るだろうか。わからん。 アーリア人の故地は、そんな北ではなくて、アフガニスタン辺りではなかろうか。 そこから東へ行ったのがインドのアーリア人で、イランのファールスへ行ったのがイラン人。 アフガニスタンに残留したのが、パシュトーン人。そんな感じではなかろうかと思うのだが。 印欧祖語の故地がどこかまではまるでわからん。

ていうか、パルティアは、バクトリアの次に来る王朝だから、王族はギリシャ人だった可能性の方が高くなかろうか。 その方がすっきりする。 「アルサケス朝ペルシャ」と言う言い方は間違いなのだろう。実に紛らわしい。

ついでに現在のトルクメニスタン共和国の首都のアシガバードは「アルサケスの町」という意味らしい。ふーん。