不確定申告

tanaka0903

察然和尚

宣長年譜 元文4年(1739)

同四年【己未】血脈受入蓮社走誉上人。【伝通院中興ヨリ二十七世之主矣】法名英笑号也

宣長年譜 寛延元年 (1748)

樹敬寺宝延院方丈にて観蓮社諦誉上人蓮阿◎(口編に爾)風義達和尚に五重を授伝し、血脈を授かり、伝誉英笑道与居士の道号を受く。

察然和尚

宣長が10歳で法名を授かった入蓮社走誉上人と19歳で道号を授かった察然和尚とは別人。 察然は宣長の母の兄というから実の叔父にあたるわけである。

厳密には「英笑」の部分が戒名、法名であって、 「道与居士」は位号、 「伝誉」が道号(浄土宗で言う「誉号」)。 「英笑道与」までが戒名であるかもしれんが。 院号は(まだ)無い。

しかしながら宣長は晩年自ら「高岳院石上道啓居士」という号を付けている。 「石上」という法名は彼の私家集の名でもあり、宣長の雅号でもあるのだろう。 で、「高岳院」が道号、この場合は院号である。 「道啓居士」が位号。「道を啓く」とはずいぶん立派な名だ。

伝通院は小石川にある徳川将軍家菩提寺。浄土宗。増上寺の末寺。 樹敬寺は松坂にある浄土宗の寺。 父方の小津家と母方の村田家の菩提寺。京都知恩院の末寺。