不確定申告

tanaka0903

2010-03-25から1日間の記事一覧

蘆庵2

この人の言う「ただ事の歌」というのも、江戸時代に相当に流行っていた狂歌や、俳諧などとの棲み分けが難しいところがあり、 また蘆庵の歌にも狂歌とも言えるきわどいものもあるが、 まあそれだけ和歌が江戸時代に多様性を獲得しつつ成熟していたことを表す…

京都御所の紫宸殿の左近の桜は桓武天皇の時には梅だったが、枯れたために840年くらいに桜に変わり、 その後959年に火災で燃えてしまったので、吉野桜(いわゆる山桜)を植えたという。 今の左近の桜は写真から察するに山桜のようだ。 江戸時代には彼岸桜系のエ…

小沢蘆庵の歌

江戸時代の知らない人。でもなかなか良い。 宣長とほぼ同世代の人で交流もあったらしい。 よしさらばこよひは花の蔭に寝て嵐の桜散るをだに見む これは良い。 けさよりは吉野の山の春霞たが心にもかかりそむらむ あともなき朱雀大路の古き世を思ひ出でつつ雪…

香川景樹の歌

面壁の達磨 あまりにも背き背きて世の中の月と花とにまた向かひけり 面白いかもしれない。 山よりも深き心のありがほに市の中にもかくれけるかな 市井の聖ということか。 なんか、いかにも題材が江戸時代っぽくて面白いな。 自由自在というか。

良寛の歌

良寛の歌は僧侶らしい静かな美しい歌だ。 明らかにわかるレベルの差。 あしびきの深山を出でてうつせみの人のうら屋に住むとこそすれ しかりとてすべのなければいまさらになれぬよすがに日を送りつつ はなかつみかづにもあらぬしづが身を長くもがもと祈る君…

賀茂真淵の歌

本居宣長全集を読んでいると、村岡典嗣の評として(やや抜粋) 歌人としての宣長は、遺憾ながら第二流、もしくは以下の評価を甘受せねばなるまい。 文学や詩歌に対する、未曾有のすぐれた理解や見識を示した彼にして、なにゆえにかくのごときであったかは、 …