たけゆく
また和歌データベースで遊ぶ。 21代集をカバーしているので、そこそこ遊べる。 「たけゆく」だが、 「月」「月影」「日影」「春」「夏」「秋」「年」 など。 一番古いのは古今集かげのりのおおきみ
さ夜ふけてなかばたけゆく久方の月ふきかへせ秋の山風
次は実朝
さよふけてなかばたけゆく月かげに飽かでや人の衣うつらむ
どうでも良いがどちらも大した歌じゃないな。実朝のは本歌取りというより習作か。 後鳥羽院宮内卿
差し登るひかげたけゆく朝凪の雲無き空に田鶴遊ぶなり
「たくる」 も少ないがある。為家
老いらくの来ると見ながらふりにけり霜のよもぎに秋たくる身は
よもぎに「世」、秋に「飽き」をかけているのだろうが、まあどうでも良いか。
「たけて」 新古今、西行:
年たけてまた超ゆべしと思ひきや命なりけりさやの中山
うーん。きざな歌だな。「年たけて」とは「年をとって」と同じ意味のようだ。
春たけて紀の川白く流るめり吉野の奥に花や散るらむ
誰の歌だろう。知ってるような知らないような。
明日香井雅経
春も過ぎ夏もたけぬる今年かな今秋冬もあはれいくほど
悪くないが良くもない。 定家来た。
朝なあさな散り行く萩の下もみぢうつろふ露も秋やたけぬる
うーん。さすがというか。ひと味違う。
ゆふさりて すずかぜふけど なつごろも ここちよきまで はるぞたけぬる
「すずかぜ」というのは割と新しい言葉のようだな。 そうか、芭蕉が使ったのか。 しかも晩夏の涼風を言うらしいぞ。まあいいか。
曽禰好忠
なつかしく 手には折らねど やまがつの 垣根のうばら 花咲きにけり
なるほどね。 なかなか良い歌ではないか。
新葉集文貞公花山院師賢:
風寒み 秋たけゆけば つゆしもの 布留の山辺は 色づきにけり
なるほど。
わがやどの かきねのうばら としごとに はるたけゆけば 咲かむとすらむ
すべもなく なすこともなく ひとりゐて ことしのはるの たけゆくをみる
だって歩き回ると金かかるし。 家に居ても、良い考えが浮かんでくるわけでなし。 連休もまだ残ってるし。 だめだめ。