不確定申告

tanaka0903

安永四年

宣長

もののふのたけき心も咲く花の色にやはらぐ春の木のもと

武士の猛き心と桜の花は違うと言っている。

春の日の長きを花の心にて散ること知らぬ桜ともがな

待ちえても心にまかす花ならで見る日すくなき山桜かな

花は心のままにならないと言っている。

春の日を長きものとは山桜花見ぬ人の言ひやそめけむ

我が背子は来ても見てしか花ぐはし庭の桜は今盛りなり

桜咲く片山岸のとこ岩のつねにもがもな花の盛りは

みよし野のこれもうきよの色ながらえもいとはれぬ山桜かな

憂しつらし雨よ嵐よいくほどもあらぬさくらの花の盛りに

白雪のふりぬる身にも春の来て心は花に若返りつつ

日暮らしに折りてかざして遊べども飽かぬは花の色香なりけり

世の人はあだなりとこそ思ふらめ花に染めたる我が心をも

咲きしより日ごとにかれず見てもなほ花には飽かぬ我が心かな

さくら花めづる心の色はなほ盛り過ぎてもさかりなりけり

いかにせむ花にうかるるこの頃の心のはてよ嵐吹きなば

山桜花はあだなる色ながらめづる心ぞいつもかはらぬ

吹く風もしづかなる世に思ふことなくて花見る春のもろ人