新古今に見える高倉院御製四首。
275 瞿麦露滋といふことを
白露の 玉もて結へる ませのうちに 光さへ添ふ 常夏の花
「瞿麦」はエゾカワラナデシコ。
「ませ」は「まがき」のこと。
524 紅葉透霧といふことを
薄霧の たちまふ山の もみぢ葉は さやかならねど それと見えける
668 上のをのこども暁望山雪といへる心をつかうまつりけるに
音羽山 さやかにみする 白雪を 明けぬとつぐる 鳥のこゑかな
1146 題知らず
つれもなき 人の心は うつせみの むなしきこひに 身をやかへてむ
1163 題知らず
今朝よりは いとどおもひを たきまして なげきこりつむ 逢ふ坂の山
まあ、普通だ罠。