蝙蝠を撃て!
雁屋哲が「週間金曜日」で 「蝙蝠を撃て!」という漫画の原作をやってるらしい. 「諸君!」によれば「左翼版ゴーマニズム宣言」を試みたもの, だそうである. 今度読んでみるかな. ここで言っている「蝙蝠」とは 戦後の「転向」とか「反動」のことらしい. 例えば,江藤淳. 私の知る限り,かつてこの人ほど「転向」よばわりされた人はない. 「転向の象徴」なのだろう. 世の中のすべての「右翼」 は左翼からみると,たかだか「左翼からの転向」なのであろう. でもこれは一昔前の事情である. 吉本隆明の「我が転向」を挙げるまでもなく, いまどき転向者は掃いて捨てるほどいるようだ.
江藤淳は東工大教授だった. 江頭先生という名前で,こちらが本名なのだろう. 一度,教官室までおじゃましたことがある. どういういきさつだったか今では良く覚えていないが, 諌早の詩人伊東静雄のことなど話をした. 伊東静雄の話になると長くなるので,やめておこう.
「左翼版ゴー宣」が出て来るということは 「元祖ゴー宣」はつまり「右翼」なわけだ. 小林よしのりも, もう引くに引けないところまで来てしまったわけだなあ.
どうでもいいことだが, 「ナニワ金融道」 の原作者の青木雄二は,ばりばりのコミュニストらしい. 蟹工船まがいの漫画を一度見た覚えがある. また,なんとかという週刊誌にコラムを書いていた (アサヒ芸能の「天下極楽人生相談」か?). おそらく「ナニワ金融道」 はそのへんのエキスを薄めて作られたものだろう.