不確定申告

tanaka0903

特務内親王遼子

特務内親王遼子 PDF無料版

kdp始めて半年ばかりが経って、 小説を11個も出してみると、 だいたいの傾向がわかってくる。

エウメネス』はなぜかほっといても勝手に売れる(そんなたくさんではないが)。 これはまあわかるんだが、 それ以外のも何かの無料キャンペーンのついでにぽつぽつ売れたりする。 どうもカスタマーレビュー読んで買ってみる気になるらしいと思われる。 『エウメネス』みたいのをもう少し書いて、 そのうち当たるのが出ると良いのだけど。 まあ、量は必要ってことなのかもしれん。

カスタマーレビューは、長いものにはつきにくい。 明らかにつきにくい。 無料キャンペーンで配布しても、たぶん最後まで読まずにほっとかれてしまう。 カスタマーレビューというものは一気に完読してその勢いで書くものではなかろうか。

長編が読まれていないというわけでは無いと思う。 長編を読み終わったころにはカスタマーレビューを書こうという衝動がもはや失われているのだと思う。

それでまあ、私としては、短編の、さっと読めるようなやつを、いくつか無料で出版して、 気に入った人がついでに他の小説も買ってくれる、 という、いわば「ブラよろ式」の戦略をとればよいのではなかろうかと思うのだが、 kdp は基本的に無料出版を認めていない。

「ブラよろ」はいわゆるプライスマッチというやつで、 他のサイトで無料で売られていればkdpでも同じ値引きをして無料になる、という仕組みだが、 じゃあパブーかどこかのサイトで無料公開していればkdpでも自動的に無料になるかというと、 そういうわけでもなさそうだ。 胴元の amazon としてはそりゃただ無料で配布はしたくない。 youtube だと収益化しなくても動画をアップすることができるし、 非公開にもできる。 パブーだって無料にしたり有料にしたり非公開にしたりできる。 kdp ではそういう自由度はない。

じゃまあ昔のようにまたパブーで公開しようかとも思うのだが、 パブーのHTMLとかepubのクオリティがあまり好きではない。 実を言えば、kindleのクオリティもそれほど好きなわけではない。 そんでまあ、kdp がベストだが、 自分のサイトでPDFで無料配布しようと思い立つ。 『特務内親王遼子』だが、 これはもう、 さらっと読めてラノベ風のイラストも入れて無料でいくらでも転載、再配布できる(もちろん著作権放棄したつもりはない)、 これ読んでもらって面白いと思ってもらってkindle本も買ってみようかなと思ってもらえればそれでOK。 内容も、オリジナルっちゃオリジナルなんだが、 これまでに書いたもののおいしいところだけつまみ食いしたようなものであり、 『西行秘伝』 みたいに一から渾身の力こめて書いたもんじゃない。

これをkdpで出せないもう一つの理由は、 商用利用が禁じられているソフトで3DCG作ってるから。 つまりイラストの問題。 んで、じゃイラストを商用利用可能なソフトで作ればそれでいいかというと、 悪くはないが値段を付けて売らなきゃならんから、販促にはあまり役に立たないと思うのよね。

非常に困っている。

kdpの著者紹介ページから直接リンクはれるといいのだが、 プレインテキストしか書けないんだわ。

とりあえず宣伝代わりにいくつか旧作を無料キャンペーンしておいた。 無料キャンペーンの継続期間をもっと延ばしてくれれば実質無料配布にできるんだがねー。 いろいろ制約あるわな。 よく考えてあるというべきか。

あと、最低価格の99円にするか、 印税70%の最低価格250円にするか、ってことにはあまり意味はないように思う。 250円を99円にしたからと言って買う人がいるだろうか。 面白ければどちらも大差ないと思うのだが。

kdpやってると自然とビジネスモデルとはー、なんて考え方になるよね。 五年前にはまったく考えもしなかった、そんなこと。

あと、『特務内親王遼子』は、わざと時代考証とかむちゃくちゃにしてあるんだけど、 それはまあ近代東アジアものやら軍事物をそのまんま書くといろいろ差し障りがあるから、 これはまったくのフィクションで登場人物や団体は実在のものと関係ありませんよというジェスチャーなわけです。 そんなこと言われなくてもわかるか。 ファンタジーだと思って読んでもらえればいい。 あと、短編なんで、伏線とか登場人物の裏設定とか全部書き切ってない。 それはそれということで。

結論としては、 「だから日本じゃ漫画かラノベしか売れないんだってば」というありきたりの話になる。

マンガかラノベならレスポンスが返ってきやすい。すぐ返ってくる。 レスポンスが返ると連鎖反応が起きやすい。 結果、売れることもあるかもしれん。 しかしその反応は発作的なものにすぎないと思うが。