秩父
新人賞に応募したやつをパブーで公開してそれを今度からはkindleで出そうと思っているのだが、 パブーのやつも順次kindle化していく。 で、「川越素描」kindle版を用意していたのだが、もともと400枚くらいのかなり長い小説なんだが、 そもそも太田とか長尾とか上杉とかなんなんだとか調べ始めたらきりがなくて。
足利成氏とか。結城とか。多賀谷とか。
で、長尾景春はなぜ秩父で挙兵したかとか。 どんな不満があったのか。どんな勝算があったのかとか。秩父面白い。
長尾とか上杉というのは長尾景虎すなわち上杉謙信のイメージでなんか越後の人みたいに思うが、全然違う。 上杉はもと丹波の藤原氏だ。 長尾は頼朝より前から鎌倉に居た。 太田は上杉と一緒に鎌倉に来たらしい。
上杉は越後上野武蔵相模の守護。 本州の一番肉厚なところを縦断している。 だから、鎌倉公方は東関東の下野国古河を拠点とした。 決して、鎌倉を追っ払われて古河に逃げたのではない、たぶん。 その下総には鎌倉公方シンパの結城氏がいる。 上杉ラインの要となるのは武蔵と上野の境、利根川沿いの五十子陣。 景春は秩父に入り込んで長瀞奥の鉢形(今の寄居町)に城を築き、 五十子を背後からヒットアンドアウェイで攻撃した。 秩父は三方を山に囲まれ出口は長瀞渓谷のみ(今は西武秩父線とかいろいろ通ってるが)。 長瀞口に城を築けば敵は容易に攻め込めない。 秩父は水も豊かで土地も肥えている。しかも広い。奥多摩の二倍はある。 五十子が落ちると上杉の越後・上野・武蔵・相模ラインが秩父・五十子・古河ラインで分断されてしまう。 景春すげえ。頭良い!ってことに気付いてしまった。
長尾上杉がなんで越後とか上野に居るかというと、尊氏について新田を討ったからなのだ。 新田がもともと上野・越後に土着した人で、足利が上杉・長尾に新田の旧領を気前よく与えてしまった。
とか調べだしたらもう切りがなくて。
古河公方と上杉の主戦場は上野と下野の間で行われた。 太田氏が守備した川越・江戸ラインに侵入してきたのは主に下総千葉氏だったらしい。
アマゾンの概要のところは本文を一部転載するようにした。 その方が楽だし、どんな雰囲気かわかりやすいと思ったから。
kindle版は紙媒体版と同じくらい改版が難しいのだけど、 もう校正ばっかりやってるとまじ切りがない。 売れ出してもないのに完璧を期するのもあほだと思い、 とりあえず出す。