不確定申告

tanaka0903

セルジューク戦記

『セルジューク戦記』をkindleで出そうと思い読み返してみるが、 今読むといかにも粗い。 特にセルジューク皇族の継承戦争の当たりがまったく弱い。

マリク・シャーが死んだとき皇子らはみな幼かった。 ただし、セルジューク朝の勢いが衰えたわけではなく、 誰かが成人するまでの間、継承戦争がおき、また、 十字軍が起きたというだけのことだろうと思う。

マフムード二世は叔父サンジャルの娘を妻にした。 その息子ダーウードはサンジャルの孫だっただろう。 マフムード二世が死ぬと、サンジャルはダーウードを擁立しようとしただろう。 マフムードの(異母)弟のマスードはダーウードに対抗しようとする。 マフムードの(同母)弟のトゥグリルはダーウードのアタベク(教育係)となったと思われる。

つまり、マスード対(ダーウード+トゥグリル+サンジャル)という内戦が起きるが、 これはマスードが成人しており、ダーウードが幼い状況では当然あり得る話だっただろう。 おそらくダーウードはサンジャルを頼ってホラサーンに拠り、 マスードバグダードにいたのであろうと思う。