不確定申告

tanaka0903

kindle

1月頃からkindleで本を売り始めていろいろと一喜一憂したわけだが、 kindle持っている人というのはアマゾンのわりと能動的かつ積極的な顧客なわけで、 そういうお金を払う態勢が整っている人たちがいるからそれなりに売れた。 しかしそういう人というのは日本人全体から見ればごく僅かで、 今はまだ普通に紙の本買って読んでる人のほうが圧倒的に多い。 じょじょにシフトしてくるにしても数年かかる。 で、そういう人の中で私の書くようなものが好きな人というのはさらに少ない。 分母が巨大でなくては私の小説は絶対売れない。

無料キャンペーンで見てくれる人の総数は今のところ max 300人くらいだと思う。 無料のうちにぽちっておいてあとで読む人たちだろう。 私もだいたいそうだから、わかる。 その中で、100人に1人くらいの割合で有料本も買ってくれる。 今のところそんな感じ。 2度目の無料キャンペーンではやはり勢いがない。 kindleランキングで100位以内に入らないと目立たないからますます伸びない。

今は新刊の無料キャンペーンやるとkindleランキングでそこそこ目立ってそこそこ買ってもらえるわけだが、 これからkindle本も著者も増えてくると、 kindleランキングには見えなくなってしまうだろう。 特定ジャンルの上位にはいけるかもしれんが。 しかしまあそれが本来の姿であって、初期状態、過渡期にたまたま目立ったところで大した意味はない。

今すでにそうだが、単純なランキングの上位を占めるのはアダルトものとか、 自己啓発的なものか、 こうすれば儲かるみたいなものばかりだろう。 そのうち青空文庫もそういうやつに排除されるかもしれん。 そうすると小説を読みたい人は、文芸書だけのランキングを見るようになり、 そこでやっとほんとうのランキングが始まる。 それだけkindle本の読者と著者が増えなきゃならない。

今はただ、kdp で無料キャンペーンやってる無名作家というくくりで読まれているにすぎない。 それは「この商品を買った人はこんな商品も買っています」見れば明らかだ。 今の状況は決して本意ではない。

でまあ、半年に一冊くらいの割合で新刊投入してときどき無料キャンペーンやって目立って、 こつこつと何年もかけて固定客をつかむしかないと思っている。

鈴木みそ の事例はたぶん紙の本とkindle本の相乗効果でこのくらい売れた、ということなのだと思う。