不確定申告

tanaka0903

ムッソリーニ

ムッソリーニ」という映画を借りる. イタリア映画的美しさがある. しゃべってるのは例によって英語だが. これ見てると,ムッソリーニって,それほど邪悪な政治家ではない. と思えてくる. イタリアという,類まれに自由奔放な国で. 個人主義的な国で. 怠惰で.退廃的で. 政治的にはぐちゃぐちゃで. そんな国で 1922 年に 39 才で首相になった,ムッソリーニというおっさん. これだけでも他の独裁者,たとえば,スターリンヒットラーなどとは性格的に違うものになって当然だと思える.

汽車を時間どおりに走らせようとしたり, 密造酒を取り締まったり, 昼寝をやめさせようとしたり. すっかり堕落した古代ローマ人の末裔を勤勉な民族に変えようと思えば, 多少手荒な手段は必要だっただろう. でもラテン人をピューリタンのような勤勉な民族に作り変え, イタリアを第 2 のローマ帝国にしたてあげる,というのは, もともと無理があったような気はする.

ドイツという,がんらい謹厳実直な気風の国に, ファシズムが台頭し, ヒットラーという精神的にいびつな人間が指導者となったのは, イタリアにとって不幸なことだっただろう. ヒットラームッソリーニにすりよってきた. ヒットラー政権.ムッソリーニに遅れること 11 年. ヒットラームッソリーニを尊敬していたが, ムッソリーニヒットラーを気にいらなかったようだ. 結果的にイタリアはドイツと同盟し, 日本も調子にのって同盟してしまった. うーむ.なんという不幸だろうか.