不確定申告

tanaka0903

2016-01-13から1日間の記事一覧

雲居に紛ふ沖つ白波2

雲居に紛ふ沖つ白波再説 高橋睦郎「百人一首」p.152 わたの原漕ぎ出でて見れば久かたの 雲ゐにまがふ沖つ白波 法性寺入道前関白太政大臣こと藤原忠通。 詞花集「新院位におはしましし時、海上遠望といふことをよませ給ひけるによめる」 保延元(1135)年4月…

文覚の歌

白洲正子「花にもの思う春」p.173 世の中の なりはつるこそ かなしけれ ひとのするのは わがするぞかし 文覚というのは無学文盲の無茶くちゃな修行僧だと思っていたら歌を詠んでいてしかもそれが「明月記」に載っていて、 定家が この歌心こもりて殊勝なり、…

小林秀雄の芸

白洲正子「花にもの思う春」p.64 小林秀雄には「飴のやうにのびた時間」「一枚の木の葉も、月を隠すに足りる様なものか」といった、一言でずばりと真髄を貫く言葉があり、愛読者はみな空で覚えたものなのに、 「本居宣長」にはそんなものは一つもない。「批…