不確定申告

tanaka0903

2016-01-12から1日間の記事一覧

山茶

山茶(やまちゃ)というのが九州や中国地方には自生していて、焼き畑などやるとまず山茶が発生する、 播州では、山茶を根元から切って持ってきてその葉を干して煎じて飲む、 明恵が栂尾に茶を植えたなどというのは、中国伝来の茶の木を植えたのではなく、 中…

新嘗祭

勤労感謝の日はもとは新嘗祭だが、 旧暦では霜月の第二卯の日となっていた、という。 霜月というのは必ず冬至が入る月であるから、この新嘗祭というのも、 もとはといえば収穫の祭りというよりは、冬至の祭りであったはずだ。 この太陽が最も低くなり夜が一…

父の歌など

柳田国男『故郷七十年』「父の歌など」 はかなくも 今日落ちそむる ひとはより 我が身の秋を 知るぞかなしき ここで父とは柳田国男の父・松岡操のこと。 彼もまた桂園派の歌人であった。 「ひとは」とは普通に考えれば「一葉」なのだがこれには「一歯」がか…

頓阿の草庵集

今でもよく憶えてゐる。われわれ松浦先生の門下で作つてゐた紅葉会では、よくいくらか冗談半分に「何々の恋」とか「寄する恋」、例へば「虫に寄する恋」とか「花に寄する恋」とかいふ題で詠ませる習慣があつた。深窓の処女といへども歌の練習にこれを作つた…

史学への反省

柳田国男『故郷七十年』の続き。 「史学への反省」という文で 日本の史学が遅れてゐることの理由の一つは、漢字を憶えることが史学に入るための困難な関門になつてゐることであると思ふのである。漢字を憶えるために苦労をするため、やつと他人が書いたもの…

故郷七十年

大塚英志『キャラクター小説の作り方』の続きなのだが、 この中に「柳田国男による古典文学批判」として出てくるのは、 「頓阿の草庵集」というごく短い文であり、 『定本 柳田国男集 別巻3』に載っている。 この『別巻3』は『故郷七十年』『故郷七十年拾遺…