不確定申告

tanaka0903

2010-03-02から1日間の記事一覧

ふみよめば

本居宣長は本が好きという話。 書読めば大和もろこし昔今よろづのことを知るぞうれしき 書読めば詳しくぞ知る天の下行かぬ国々四方の海山 書読めば見ぬもろこしの国までも心のうちのものになりつつ 書読めば昔の人はなかりけりみな今もある我が友にして 書読…

歌人本居宣長

歳暮 かくばかり住み良き山の奥にだに年は止まらで暮れてゆくらむ 隠れ家はいつも心の静かにて年の暮れとも思はれぬかな 世のわざに心騒がぬ隠れ家は年の暮れとていとなみもなし ふりまさる老いのしるしかこぞよりも今年は惜しき年の暮れかな いたづらに月よ…

中野重治

おまえは歌うな おまえは赤ままの花やとんぼの羽根を歌うな 風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな すべてのひよわなもの すべてのうそうそとしたもの すべてのものうげなものを撥き去れ すべての風情を擯斥せよ もつぱら正直のところを 腹の足しになると…

宣長の辞世の歌

山室の山の上に墓どころを定めて、かねてしるしを立ておくとて 山むろに千とせの春の宿しめて風に知られぬ春をこそ見め 今よりははかなき身とは嘆かじよ千代のすみかを求め得つれば 宣長は遺言で葬式のやり方をことこまかに指示し、かつ自分の墓所も自分で決…

坂本は文字がありません。

巖本善治編勝部真長校注「新訂海舟座談」を読む。 江藤淳の「氷川清話」以上のことは書かれているようにも思えないが、附録で、 高木三郎という人が坂本龍馬について 坂本は大きな男で、背中にあざがあって、毛が生えてね。 坂本は、柔術を知らないものです…

本居宣長

筑摩書房の「本居宣長全集」第2,15,18巻、それと小林秀雄「本居宣長」を借りてくる。 全集の解題は大久保正という人が書いているが、 中野重治が あんなおかしな歌を何年も何年もこりずに書いたような精神のある面が、その面は詩には無関係のものだったが、…