不確定申告

tanaka0903

漢詩

唐詩選

唐代の詩は古いものではあるが、 『唐詩選』自体は明末に誰が作ったとも知れずに成立したものである。 『水滸伝』『三国志演義』『西遊記』などと同じようなもんだ。 それが日本に入ってきて、訓点をつけて出版されたのは、江戸中期。 日本人が知っている漢…

酒を自制する詩

衆人皆酔且喫煙 衆人皆酔ひ 且つ喫煙す 我独不敢取酒杯 我独り敢へて酒杯を取らず 窃恥病躯不能悦 窃かに恥づ 病躯 悦しむ能はざるを 不得不随医師説 医師の説に随はざるを得ず 確かに五言絶句は漢字二十文字のみで、俳句に匹敵すると言う説もあるが、 ひら…

アルコールフリービール

独居飲偽酒 無精不能酔 将忘其真味 只嗜苦麦汁 うーん。 よくわからん。詩と言うほどのものではないような。 だがもう少し量産してみよう。

息子の誕生日にたまたま作る

愚息八歳貌似猴 狂躁捷疾多煩悩 昔年幼弱頻当死 今日健康於其父 追記: 今見ると平仄も押韻もむちゃくちゃ。

素朴な疑問

國破山河在 城春草木深 感時花濺涙 恨別鳥驚心 烽火連三月 家書抵萬金 白頭掻更短 渾欲不勝簪 高校の漢文の教科書の最初に出てくる、杜甫の「春望」だが、これは普通次のように訓み、また訳す。 国破れて山河在り 国は崩壊してしまったが、山や河は変わらず…

偶作

毎夜巡巷間 連夜巷間を巡り 如浴喫麦酒 浴びるが如く麦酒を喫す 今日受業報 今日業報を受け 不能再飲矣 再び飲むあたはざるかな いまいち。

寺門静軒、成島柳北

前田愛著『成島柳北』を読み始める。かなり固い文体だが、面白そうだ。 寺門静軒著『江戸繁昌記』。めちゃくちゃ面白い。たとえば、「金竜山浅草寺」。 都下、香火の地、浅草寺をもって第一となす。肩摩甑撃、人の賽詣、未だかつて一刻の間に絶えず。雷神門…

風騒集

陳舜臣の漢詩集。 日本語の詩も少々。 波斯 歴山攻陥帝王台 遥望波斯已劫灰 歴山はアレキサンダー。 波斯はペルシャまたはペルセポリス。 「アレキサンダーは帝王の王宮を攻略して落とした。 遥かに望めばペルセポリスはすでに灰燼に帰した。」 というような…

楠公別子図

頼山陽詩集など読んでいると、「楠公別子図」という題で「海甸の陰風、草木腥し」というのがある。 乃木将軍の「山川草木転た荒涼、十里風腥し新戦場」によくにている。 ちょっと驚いた。乃木希典が頼山陽の詩を読んでないわけがなく本歌取りのようなものか…

山居

「釣月耕雲慕古風」に関しては 961208, 000306 などで考察して来たのだが,インターネットもずいぶん広くなったようで, 明確な出典が見つかった. 道元の漢詩だった. 思ったよりも古くて大物だったな. 山居(さんご) 西来祖道我伝東 西来の祖道我東に伝…

田中角栄の漢詩

1972 年に田中角栄が北京で作った,七言絶句. 国交途絶幾星霜 修交再開秋将到 隣人眼温吾人迎 北京空晴秋気深 丸谷才一の「日本語のために」という本に載っている. 中国人は出来栄えはともかく喜んだんだそうだ(と陳舜臣が指摘したそうだ).

釣月耕雲慕古風

私の部屋には,「釣月耕雲慕古風」と書かれた軸が掛かっている. 床の間なぞないので,壁に直接,西日が当たらないあたりに掛けている. じいさんが昭和 45 年くらいに書いたものである. なかなか勢いがある,若々しい書体で,わりと良く掛けて眺めてたらし…